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2019/03/04〜03/19ポルトガル・スペイン旅⑨サン・ヴィセンテ岬へ、そしてサグレス要塞

前回はこちら↓

japancorgay.hatenablog.com

 

さてラゴス滞在中の2019年3月11日。今日はいよいよ今回の旅の最大の目的地、沢木耕太郎深夜特急』の旅の最終地点としても有名、ユーラシア大陸最西南端のサン・ヴィセンテ岬へと向かいます。

 

 

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風呂にも浸かり、目覚めはバッチリです。

 

私、これを書いている2021年の今の今までずっと「サン・ヴィンセント岬」だと思っていましたが、原語表記はCabo de São Vicenteなので「サン・ヴィセンテ岬」ですね。どこで勘違いしたのでしょう。

 

サン・ヴィセンテ岬は、今いるラゴスからさらに西にあるサグレスという街のはずれにあります。ファーロからバスが出ていますが、ラゴスも経由するので私はラゴスを滞在地として選び、岬へのアクセス地とすることにしました。

 

着替えたら出発です。今日は暑さ対策も日焼け止めも塗り万全の姿勢です。

 

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ラゴスの街は海と共存してる。

 

 

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ラゴスの街の知らない人の像。

 

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ラゴスの街並み。リゾートらしい植生です。

 

サン・ヴィセンテ岬行きのバスターミナルはここです。

 

 

奥まったところにありますが、チケットもこのターミナルで買えます。現金しか使えない場合があるのでご注意を。

 

 

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ラゴスの中央バスターミナル。

そこまで大きくないバスターミナルですが、自動販売機とトイレくらいはあります。どちらも半分壊れているような感じだったので、食糧調達や排泄行為は他の場所で済ませてくるのをおすすめします。ベンチもきったねえんだ。

 

事前の他の人の旅ブログなどで調べていると、サグレスの街まで行って、そこから岬までは歩くか車、レンタルバイクしかないという情報でしたが、バスで岬まで直通している路線が出ていました。ラゴスからバスに乗りエンヤコラ、揺られます。

 

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バスのルートはこんな感じ。そこまで長いバス旅ではありません。

 

 

そしてバスに揺られること2時間ほど。サン・ヴィセンテ岬に着きました。沢木耕太郎の頃と比べたらなんてイージーな到着でしょう。

 

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岬のバス停で降りるとすぐに灯台がある。

 

さて、肝心の岬の風景ですが。

 

 

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断崖絶壁。ロカ岬と違って柵など無い。

 

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遮るものも何も無いので吹き荒れ狂う風。これが大西洋の力か、といった情感。

 

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どこまでも断崖絶壁。もう一度言うが柵など無いのでツルっとジャボンできます、海へ。

 

 

こんな海風吹き狂う、海と空の他なにもないような場所でも植物はたくましく生きていました。

 

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あ、これ知ってる。確かノラニンジンの花だ。

 

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ロカ岬の時も思いましたが崖に咲く花というか葉はどこか肉厚ですね。

 

サン・ヴィセンテ岬のバス停近く、灯台の近くは観光客が少しいるので、少々距離をとって遠くに来てみました。崖にもどこにも柵など遮る建物などないのでどこにでも行けます。

 

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遠くに灯台が見える位置に来た。

崖って格好いいですね。

 

 

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何も無い、と言いそうになるけれどこんな先っぽでも生きてる命がたくさんあるんだな。

 

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食えそうな実まで生えてる。

 

 

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吹き荒れ狂う風の中で耳を澄ますと、波が崖にぶつかる音が聞こえる。

 

 

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なんてちっぽけなんでしょう人間って。

 

 

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光の道ができてる!となった。

この海に反射する光の道を見て、わあ綺麗だ、輝いている、おっきい、広い、風が強い、きれいだね、きれいだ、美しい、きれいだね、わはは...わははは...きれいだねえ...なんて綺麗なんだろうねえ...となって少し泣いてしまった。美しいと感じるものを見て泣くなんて予想していなかった。感動して泣くとか嘘っぱちだろとか思っていたけれど、この景色を見て、この崖に立って、ここの風にもみくちゃにされていたら、なんだか泣けてきてしまった。

 

 

 

 

思えば遠くへ来たもんで。

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こう、ですからね。

しかも、ここですからね。

 

 

 

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灯台から離れてもっと人のいない、誰もいないところまで来て地べたに座ったりしていた。

 

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崖の地べたに座ってボケーっと何もせずに輝く海だけを見る時間。

 

 

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一人旅の悲しい性。タイマーでセルフィー、仕上がりはいつも微妙。

 

 

 

人を避けて、崖の上に座り海をボケ〜っと眺め続けていたら数時間が経っていた。

 

 

 

灯台の方に戻ってみる。

 

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灯台に住みたくてたまらないよ。

 

 

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あ、猫。ロカ岬にも猫がいましたね。ネコチャァンカワィィ...。

ロカ岬にも猫がいましたが、灯台で誰かが猫を飼っているのでしょうか、それとも野良でしょうか。灯台は現代では自動化されてしまって、灯台守りの職業もなくなってしまったと聞きますが、まだここに住んで猫をケアしているような人がいるんでしょうか。

 

 

 

 

 

さて、ここでうっかりが発生しました。なんと帰りのバスが、今日の分はもう来ないことがわかりました。

 

時刻表をチェックし忘れていたのですうっかりすぎますね。

 

周囲には、車を運転してきている観光客が大半で、みんな自分の車に乗って帰って行きます。

 

さて、どうしたもんか。

 

ヒッチハイク的に、誰かの車に乗せてもらうか。

それとも、タクシー的なものが車で待つか。

 

Googleマップで見てみると、一番近い街であるサグレスまでの距離はこれくらい。

 

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サン・ヴィセンテ岬から最寄り街のサグレスまで。歩けるんじゃね?

 

地図では6kmとあります。サグレスまで行けば、電車なりバスなりタクシーなりでラゴスの宿に帰れるでしょう。地図に載っている、「Sagres Fortress サグレス要塞」というのも気になります。

 

 

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この道は、いつか来た道、ああ、そうだよ(「この道」山田耕作作曲、北原白秋作詞、より)

 

歩いてサグレスまで行くことにしました。1時間歩くくらいならいけるでしょう。

 

 

歩き始めて30分くらいして、少し後悔しはじめました。

 

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行けども行けども同じ道の風景。

 

歩けるのですが、すぐ隣は崖なので吹き荒れる海風が冷たくて。暑さ対策で半袖で来たのを後悔するくらい身体が冷えるのです。足を動かして温めます。

 

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しかし、途中のなんの名前もない崖も圧巻の見た目。崖って良いですね。

 

 

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歩けども、歩けども

 

 

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歩きは辛いが、遠くの崖の上に見えるあれがサグレス要塞では?しかし崖が綺麗。

 

 

サン・ヴィセンテ岬からサグレスまで歩く途中、何やら陽気な建物がポツンとありました。

 

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皿ばかり貼り付けられている家が急に現れた。

 

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陶器の家だ。こんなところに?

 

こんなところに皿の家がありました。なんでしょう。

これを書いている今2021年、やっとこの建物がなんだったか、見つけました。インテリアショップで陶器作品を売っているところだったのですね。地図で見ると、この時点でかなりサグレスの街の近くにきていることがわかります。

 

 

 

まだまだ歩きます。

 

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サグレスのあたりでよく見かけたこの植物、リュウゼツランでは?テキーラの原料になるやつでは?

 

 

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写真中央左奥に豆粒くらいに見える灯台が、さっきまでいたサン・ヴィセンテ岬ですね。

 

 

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サン・ヴィセンテ岬と比べると岩肌の色も植生も変わってきました。サグレスのあたり。

 

サグレスのあたりまで歩いてくると、サーファーやダイバーの格好をした人が多数見かけられました。そういうスポットなのかもしれません。崖も、サン・ヴィセンテ岬のものと比べてより緩やかというか、海に降りて行けるような崖も増えてきました。

 

 

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あ、見えてきました。足が痛い。

 

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サグレス要塞の入り口です。

 

そんなこんなで1時間半くらい歩いて、サグレスの街近くのサグレス要塞にたどりつきました。

地図で言うとここです。

 

 

 

徒歩できているアホは私くらいなようで、サグレス要塞の近くには駐車場がたくさんありました。車でみんな来るようです。なんなら、サン・ヴィセンテ岬も車でみんな行くようです。

 

だって、運転免許証持ってないのだもの。

沢木耕太郎深夜特急』でも、歩けども歩けども着かないと書かれていたサグレス要塞です。

 

サグレス要塞とは、15世紀にエンリケ航海王子が設立したとされる、航海士を養成する学校があった場所でもあります。その住居や礼拝堂などはいまでも姿を残しており、当時の様子を感じることができるスポットだとか。

 

入場料は3ユーロくらいでお安かったです。クレジットカード払いもできましたが、電波が届きづらいのか何度も試していて面倒くさそうだったので現金持参をおすすめします。というか3ユーロくらい現金で払えよということなんですが...。出来る限りカード払いにしたかったのです。

 

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要塞入り口は、入るとそこから上に登れるようになっていた。

 

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サグレス要塞の上に登ったところ。遠くにサグレスの街が見える。

 

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航海士養成学校だった名残か。

 

 

 

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この海岸線沿いのカーブをずっと歩いてきたことになる。結構な距離だ。



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サグレス要塞内に残っている建造物は少なく、荒涼とした風景が広がる。

 

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何某かの大穴。スペクタクル。

 

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要塞っぽい。

 

 

サグレス要塞内にはノッサ・セニョーラ・ダ・グラッサという教会もあります。

 

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小さな教会の内部。

 

 

 

そんなこんなで、予期せぬハプニングはありましたが、地の果てサン・ヴィセンテ岬とサグレス要塞を堪能できた1日でした。

ここから、ラゴスの宿に帰らなければいけません。果たして、交通手段はあるでしょうか。そうだツーリスト・インフォーメーションセンターに行こう。サグレスにもあるだろうか、Google マップで調べました。

 

 

 

ものっそいわかりづらい場所にツーリスト・インフォメーションセンターはありました。中にはかっぷくのよいおばさまが一人立っていて、英語はあまりわかってなさそうでしたが、ラゴス行きのバスならあると教えてくれました。しかも、今日の便はまだ残ってると。よかった。

 

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バスの時刻表。サン・ヴィセンテ岬まで行くバスは1日2本しか出ていないことをここでやっと知る。

結論、ラゴスからサン・ヴィセンテ岬までいけるバスは土日祝日を除いた日の、二本しか走っていないことがわかりました。しかも、サン・ヴィセンテ岬からラゴスへ帰れるバスの最終便は15:05です。はやい。どうりでみんな車で訪れるわけです。レンタルバイクなどで行くのも良いかもしれません。私の様に徒歩で敢行する場合は、歩きやすい靴と軽装で行くことをお勧めします。結構な距離を歩いて疲れました。

 

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バスがくるまで時間を潰したなにがしかの公園。

 

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その公園にあった筋トレ器具。浜辺を見ながら胸筋を鍛えられる。

 

 

バス停で、キリスト教について大声で何かまくしたてる少し様子のおかしいおじいさまに絡まれたりしましたが、無事バスに乗り、ラゴスへと帰ってくるころにはもう日が沈み始めていました。

 

 

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かなり疲れたが充実した1日だった。美しい夕陽。

 

ホテルに戻り、疲れから爆睡し、起きたら夜でした。お腹が空いています。今日はいっぱい歩いてがんばったし、旅の最大の目的も達成できたからお祝いにレストランで外食なんてしちゃおうかな〜なんて思いながらGoogle マップでホテルの近くを調べました。

 

せっかくだから、パエリヤとか、魚介を使ったポルトガルの伝統料理とかそういうレストランに行ってみようかな〜なんて。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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ラッシー。

インド料理屋に行きました。

 

 

 

ちなみにここです。

 

 

 

Ashoka Indian Tandoori cuisineというインド料理屋でした。ビリヤニの写真が美味しそうだったもんでつい。

 

 

頼んだのは、ラッシーと、チーズナン、海老カレーとチキンビリヤニ

 

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チキンビリヤニ。けっこう量が多い。

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シュリンプ(エビ)カレー。エビが信じられんプリプリで美味。

海辺の町だからか、魚介、エビが死ぬほど美味かったことを覚えています。しかし、量が多かった。嬉しいことですが、節約旅行中の私の胃袋は幼稚園児のスニーカーくらいの大きさに縮小しているので、かなり多く感じられました。店の人にも、うちのは量が多いけど一人でそんなに頼んで大丈夫かと注文時に聞かれたのを覚えています。(結果、少しだけ、最後の一口が食べきれなくて残してしまった。本当にごめんなさい...。美味かったのに...。)

 

 

 

 

 

 

充実した1日でした。ユーラシア大陸最西南端を制覇したのです。沢木耕太郎とは違いバスでしたが。帰りは徒歩だったのでまあ似た様なもんかな。

 

 

サン・ヴィセンテ岬、おすすめです。

行かれる方は、車などの交通手段を確保することをおすすめします。そして、柵などはないので十分に気をつけて。

 

 

 

地の果て、ありました。水平線が広がっていて、太陽の光で海に道ができていました。

 

 

 

 

 

 

明日はいよいよラゴスからも、ポルトガルからも離れてスペインのセヴィリヤに向かいます。