2017/10/04~10/11バリ島旅行①滞在したヴィラ「Sudiana House」のこと
2017年の10月4日からおよそ1週間ほど、私はインドネシアのバリ島に滞在しました。
目的はひとつ、何もしないで過ごす、でした。
映画「食べて、祈って、恋をして」のロケ地でも有名な地ことバリ島のウブドという場所で、「何もしない幸せ=Dolce far niente(伊語)」を堪能しに行く為です。まだ、映画を観ていない方は一度は観ていただきたい映画作品です。ジュリア・ロバーツの笑顔ってかなり独特で、彼女しか作り出せない笑顔を持っているなといつも思います。
長い実習生活を終えてくたびれていた私は、日本や現実から逃げる様に成田空港へ向かい、格安航空会社エアアジアの機体に乗り込みました。機内の冷房が乗客を凍らせるほど効いている以外は、いたって普通の搭乗体験でした。
バリのデンパサール空港に到着してロビーに出た際に目の前に広がる光景はひと、ひと、ひとの洪水。ゲストの名前を書いた紙やプラカードを掲げた現地の人々がやんややんやとたむろしていました。
ウブドは空港からかなり離れた内陸部の場所なので、私も宿からのタクシーでの迎えを予約してありました。「Sudiana House コーギィ(私の名前)」と書かれた札を掲げている人をなんとか見つけ出して、駐車場まで連れてってもらいます。
空港からウブドまでは車で少しかかります。ドライバーの運転も車やバイクの往来も混雑していて、乗り物酔いしやすい貧弱な私はすぐに車酔いしてしまいました。ビニール袋に吐いた吐瀉物を優しく捨てておいてあげるよと受け取ってくれたドライバーさんには申し訳なさで顔を直視できませんでした。
さて、今回およそ一週間ほどの滞在です。普段のバックパッカースタイルの旅ではせいぜい各地に1泊か2泊かして次の街に移動、といったスタイルをとるところですが、今回の旅は違います。私は「何もしない幸福」を味わいに来たのです。そこで、一週間の滞在中、全て同じ宿に滞在することに決めました。それがゲストハウスの「Sudiana House」でした。
ウブドの中心部に位置しているゲストハウスでした。
映画「食べて祈って恋をして」のように田んぼのど真ん中にあるヴィラなどに泊まることも考えましたが、観光に便利な中心地に近くて安い宿としてこちらを選びました。
確か、7泊して1万円くらいでした。
緑豊かで人々はおだやかで、観光客は皆ヨガか瞑想をしている。そういったイメージをもっていたウブドですが、実際にタクシーから降りて中心部を歩いてみると、臭い。排気ガスの臭いです。
中心部はバイクタクシーや車の往来が激しく、そこから排出されるガスの臭いでした。
乗り物に伴って、クラクションの音も間髪入れず鳴り響いてきます。
また、客引きの声かけも絶え間なく続きます。大きめのリュックサックを背負った日本人がこの地で観光客ではないはずがないのです。仕留めたといわんばかりに、いろんなおっちゃんやおばちゃんが声をかけてきます。どこどこ行きが何ルピー(現地通貨)だ、などといった内容です。
野犬なんだか飼い犬なんだかわからない、大きめの犬がそこらへんを歩いているのも印象的でした。東南アジアっぽさを感じます。猫はあまり見かけませんでした。
そんな事前のイメージと正反対のカオスなウブド中心部と乗り物酔いに圧倒されながら、とりあえず宿に行こう、荷物をおろそう、と思い直し、マークした地球の歩き方の地図を頼りに宿へ向かいました。
Sudiana Houseの入り口は大変わかりづらかったです。
手作りジャムを販売している店の隣にある細長く、入り組んだ階段を上ったところ、少し高台にあると事前に聞いていましたが、私が到着したのが夜で、暗くて、ジャム屋も閉まっていたのです。
正しく、道を辿れば玄関口にこの表札が見えてきます。
バリ島の宗教はバリ・ヒンズー教という独自の宗教です。インドネシアの他の地域はイスラム教が主ですが、バリ島は違う。そのためかどうかはわかりませんが、バリ島は近隣諸国、例えばオーストラリアなどのゲイカップルのハネムーン地などとしても有名だとか。画像はガネーシャといってヒンズー教の数多く存在する神様のうちの一人です。このあと、バリ島のあちらこちらで見かけることになります。
高台にあるせいか、Sudiana Houseに入った瞬間、急に街の喧騒が遠ざかっていきました。静かで落ち着いていて、清潔な空気がただよった空間です。
こちらが私が泊まる個室です。コテージと呼ぼうか、ヴィラと呼ぼうか、ゲストハウスと呼ぼうか、悩むところです。ワンルームの部屋に大きめのベッドと机と椅子、シャワーとトイレがついているといった感じの設備でした。
敷地内に戸建ての棟が立ち並んでいて、その一棟ずつがそれぞれ部屋になっているのが「ヴィラ」と呼ぶらしく、響きもおしゃれですのでここではヴィラと呼んでいこうと思います。
ヴィラの装飾も見事で、バリの伝統的な技法で彫られた木材装飾が目立ちます。
私が気に入った装飾はこちらのドアの木彫りです。
見事な彫り物です。ドアとしてもちゃんと機能します。
ただ、施錠はヘアクリップでこじあけられそうな南京錠なので、そもそも貴重品などは宿に置きっぱにしないほうがいいかもしれません。危険な雰囲気が漂う場所ではないですが、宿の構造上誰でも入ってこれるし。なんなら、私も一人、現地人ゲイを一晩連れ込んだし。
ドアからの眺めはこんな感じです。
緑豊かで穏やかな様子が写真で伝わるでしょうか。晴れるとこんな感じですが、私が行ったのはちょうど雨季にさしかかる頃だったので、急な雨降りなどが多く、晴れている日はそこまで多くなかったですね。
居室内にエアコンがありませんでした。
暑い東南アジアでそれは多少不安でしたが、こちらがあったので大丈夫でした。
部屋の天井と同じくらいの直径があるシーリングファンがついていて、これを稼働させればかなり涼しかったです。日陰でしたし。
先ほど7泊で1万円くらい、と書きましたが、朝食も込みでのお値段でした。
朝食はこちら。
皿に山盛りのカットフルーツと、バナナココナッツパンケーキとコーヒー(or紅茶)が毎朝提供されます。東南アジアはフルーツがバカ美味い。
パンケーキが緑色なのが不思議ですよね。
インドネシアではパンやケーキなども緑色のものを見かけます。これは人工着色料によるものではなく、パンダンという植物による着色・装飾だそうです。味は普通の小麦のパンケーキです。
静かな日陰の部屋で、大きめのベッドに寝ていて、毎朝こういう食事が何もしないでも出てくる。これぞ、何もしない幸せでしょう。
朝食はテラスのテーブルに運ばれてきます。朝食後もそこで本を読んだり、ボーッとしたりして何もせずに過ごしたりしていました。
正直、このヴィラにずっと引きこもっていてもいいのです。ただ、せっかく来た「外国」ですから観光や散策もしなければいけないような義務感が自然と湧いてきます。
次回からはバリ島ウブド散策の記録が続きます。
つづく