2017/03/03ドイツ旅行⑥ドレスデン
前回はこちら↓
いまだ体調不良をかすかにひきずる体を5:00ごろに素早くひっぱたいて起き上がりました。朝です。
本日2017年3月3日、ひな祭りの日には、早朝バスで古都ドレスデンへ向かいます。
毎度お馴染みFlixBusを使って、7:00に出発し、8:35にドレスデン中央駅に到着しました。
ドイツ各都市を周り、大抵中央駅があるし、中央駅にはロッカーがあります。でっかくて重たいだけのバックパックをロッカーに押し込み、いざドレスデン観光へと参ります。
実は、最初はドレスデンにくる予定は無かったのです。
ハンブルクの現地在住の友人が、北ドイツを回ってライプツィヒに行くのなら、近くにあるドレスデンは景色が最高だから是非寄ってみるといいよと教えてくれたのです。そのため、急遽旅程に付け加えた感じ、そこまで期待していませんでした。日本でいう京都みたいなもんかね〜といった感じ。
ドレスデンという街は、エルベ河の谷間に位置している街です。かつて、約100年ほどドイツに存在していたザクセン王国の都だった地でもあるそうなので、そのころの面影が残る建造物など、旧市街などが観光名所だとか。
全然関係ないのですけど、「ドレスデン・ファイル」という海外ドラマがありましたね。アメリカのファンタジー系ドラマだった記憶があります。あれはなんでドレスデンだったのでしょう。
どこから周ったらいいかわからなかったので、とりあえず大きな広場へと向かってみることにしました。Theaterplatz Dresden、劇場広場といったところでしょうか。
広場にはこんな銅像が。
そして、このザクセン王国ヨハン王は芸術や音楽を愛したそうで、そんな彼が建設を発注したオペラハウス・ゼンパーオーパーがこの広場に面する形で立っています。
このオペラハウスの近くに観光名所として有名なドレスデン城があります。
ドレスデン城には、王国の秘宝や豪華絢爛な内装で有名な「緑の丸天井」が観られるということで向かいました。
緑の丸天井に入るには事前にオンラインでチケットを予約する必要があったのですが。
なぜか予約していたはずのその丸天井に入るチケットが買えなかったのです。窓口のひととのコミュニケーションもうまくいかず、人生初ヨーロッパ旅行の旅の疲れも相まって私は食い下がることを諦めました。
しょうがなく、ドレスデン城のなかを見たり。ドレスデン城外壁にある「君主の大行列」を見に行ったりしました。
こちらです。
実はドレスデン、戦争で焼け落ちた歴史があります。その戦火を奇跡的に逃れたものがこちらの君主の行列だそうです。歴代のザクセン王国の王様たちが描かれています。
陶器で有名なマイセン、そのマイセンのタイルで作られたこの外壁は、幅が約100メートル、高さは10メートルほど。使われたタイルの数は2万5000枚もの数だそうです。
陶器で有名なマイセンの街はドレスデンからも近く、マイセンの作品を展示している美術館が、次に行くツヴィンガー宮殿内にもありました。
こちらの宮殿は、その美術館だけでなく大きな庭園も併設しています。
バロック様式で建てられたとても広大な宮殿。噴水やベンチもあって、一休みもできる美しい中庭です。
写真中央、中庭から見えるのは「王冠の門」です。
上部の上品な青色の冠部分が見事ですね。一緒に写っている人のサイズと比べても結構なサイズです。
王冠の形をしたブルーの冠の上に、また小さな黄金の王冠があしらわれています。
バロック建築やバロック音楽のバロックとはもともと「異常な」「いびつな」とかといった意味のもつ言葉です。ポルトガル語の「Barrocco」が語源だろうとされていて、商人たちが完璧な形ではない、いびつな真珠のことを表す言葉として使われていたという説があります。
それまでの完成された、完璧な様式美が特徴のルネサンス様式の流れに対して、より装飾過剰に、豪華に、表情豊かにを特徴とするバロック様式。ルネサンス様式が丸くて綺麗な真珠だとすれば、その後に出てきたバロック様式というのは、それに対する「いびつな」真珠なのかもしれません。
この時点で、なんだか私ドレスデンのことを好きになりはじめていました。いいところです。
美しさの種類が穏やかで、黙っていて、堅牢です。無口だけど頼りになる体格の良い上司、みたいな安心感があるのかもしれません。
観光地ですが、観光客でごった返していることもなく、全体的に落ち着いた雰囲気が流れているのも好感をもてます。
宮殿を出て、しばらく旧市街をぷらぷら、あてもなく歩いてみてもこの迫力です。なんでもない建物であっても、静かなプライドみたいなものを感じさせられます。
久しぶりの日本食、いいな〜。ちゃんとしたレストランでちゃんとしたご飯、食べたいな〜。と思いながら通り過ぎました。貧乏旅行なのです。ヨーロッパ旅行で削れるのは食費なのです。
次はフラウエン教会に向かいました。「聖母教会」です。
美しい旧市街の街中でもひときわ目をひく大きな教会であるフラウエン教会。もともとは11世紀に建てられたバロック様式のプロテスタント教会です。
でも、第二次世界大戦のドレスデン大空襲によってバラバラに倒壊。しばらく瓦礫のまま放置され、東西ドイツが統一されたあと、1994年に再建工事がはじまって今の姿になったとのこと。
そんな教会がこちら。
写真を撮るのが死ぬほど下手くそですがその大きさが伝わるでしょうか。確かによくみると、外壁はジクソーパズルのように色や形の異なる石が組み合わさって作られています。
このフラウエン教会の内部がよかったんですよ。
荘厳。白と金の組み合わせのなんて美しいこと。そして、ベンチが多い。
やっぱりここでも、しばしぼーっと一休みです。ヨーロッパをバックパッカー旅行する際の休憩スポットはやはり教会です。大抵どこの街にもあるし。飲食はきっと禁止だと思いますが。
ドレスデン、いい感じの街じゃん。自分の企画だけだと知りもしなかった街だったので、存在を教えてくれた友人に感謝です。ありがとう。
フラウエン教会の近くにもうひとつ、大きな教会がありましたが、こちらは内装工事中とかで、中に入ることができませんでした。今、改めて地図で調べてみると、カトリック旧宮廷教会だそうです。
ドレスデンは旧市街と新市街とをエルベ河で分かつ街です。
この橋を渡った向こう側は新市街。そして、「風景の額縁」とよばれる有名な観光スポットがあるそうなので、この橋を渡っていきたいと思います。
っていうかエルベ河が良すぎる。
やっぱり私、大量の水が、大きな川が流れる街が好きだ。
でも東京で荒川とか隅田川の近くに住むのとは違うんだよなあ。京都の鴨川の近くに住むとかはどうなんだろう。
ヨーロッパの、というかドイツの川はなんだかこう、とても静かで、泰然自若、といった構え。すごく安心感があります。歴史も感じさせられますし、不思議と畏敬の念が湧いてきます。私の生きた年数なんてクマムシくらいの規模の小ささだと、まざまざとつきつけてくる、お前ら人類はちっぽけな存在なんだと教えてくれる、それがドイツの川。
さて、さきほどのアウグストゥス橋を渡って、橋の向こう側へと歩みを進めます。
途中、橋の上で不思議なものに出会いました。
突然。葛飾北斎パイセンじゃないっすか〜ちっす〜元気してた?
調べてみると、このアート作品は2002年8月にザクセン州を襲ったエルベ河の氾濫、大洪水を忘れないように設置されたものらしいです。が、なぜ葛飾北斎なのかは謎です。
橋を渡り終わると新市街です。
橋を渡りぷらぷらと歩いていると、うわさの「風景の額縁」を見つけました。
なんでも、ここから写真を撮ると、ドレスデンの旧市街の街並みがまるで絵画のように美しくとれるとのこと。観光スポットっぽい。あまりにも観光スポットっぽさがドレスデンの街の荘厳さにアンマッチな感じがして、少し可愛げのある試みです。
地図上ではCanaletto-Blickとなっていますね。川沿いを歩いていれば普通に見つかります。
れっきとした観光客である私も一枚、撮ってみました。
どうでしょうか。
相変わらず写真が下手ですね。
そんなこんなで、旧市街も新市街も堪能したので本日の宿へ向かうことにしました。明日にはベルリンに向かうのです。相変わらず忙しい旅程です。
ドレスデンで滞在した宿はHotel Burgkというホステルでした。
検索してもヒットしませんでしたが、ここらへんでした。ちょっと駅から遠かったかな。普通の住宅街のなかにあるホステルのような場所でしたが、個室で安いとこがよかったのでここにしました。
ホステルまでの道は少し迷いましたが、受付の女性も感じの良い女性でした。
ドレスデン、かなりいい街でした!今のところドイツ旅行のなかで一番いい感じだった街はドレスデンです。
スーパーで買ってきた食材をつまみながら、明日のベルリン行きの情報を集めます。
相変わらずのインスタントパスタ、みかん、サンドイッチ生活です。左に見える茶色い液体は炭酸がシュワシュワしているリンゴジュースみたいなやつです。ドイツのスーパーの「Ja!」というプライベートブランドがなんでも死ぬほど安くて仰天です。
サンドイッチの写真で今回はお別れです。
明日、次回はベルリンへ向かいます。ゲイの街、ベルリン!
つづく