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2017/02/25,26ドイツ旅行③ケルンとアーヘン

ドイツ旅行その②は↓

japancorgay.hatenablog.com

 

 

10:44にブレーメンの中央駅から電車(IC特急)に乗り込み、次の街ことケルンへ向かいました。

ハンブルクブレーメンのときと同じくFlixBusという高速バスを使いたかったのですが、ブレーメンからケルンへ走っている路線が当時見つからなかったのです。

電車内の様相はいたって普通。日本と同じように手前に折りたためる小さなテーブルがあります。

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電車内の過ごし方。右のはジュースで、粉に水入れて作るような味がクセになります。

 

旅行に行く時はいつも、荷物になるのに持っていく村上春樹の『遠い太鼓』。2021年のいま、もはやボロボロになっています。車窓の風景は曇っててやや霧がかっていて大して見るものもないなあと思っていましたのでずっと本を読んでいました。

本を読んでいると「ヴァッサ〜、ヴァッサ〜」という声が聞こえてきます。車内販売のようで、ワゴンを押しながらヴァッサヴァッサとひとが通路を近づいてきます。なんでしょう。見たところ、お菓子や軽食などがワゴンに乗っているようでしたが、ヴァッサの意味はわかりませんでした。

日本に帰ってから、ドイツ旅行のブログ記事を色々読んでいて謎は解けました。ドイツ語でWasser=水、だったのです。

 

 

13:47。ケルン中央駅に到着しました。

 

実はケルン訪問の目的であるケルン大聖堂は中央駅のほぼ真向かいにあります。つまり、電車を降りて駅を出ればもうそこはケルン大聖堂なのです。

しかし、弱って疲れていた私はとりあえず先にホテルへ向かいました。

今回ケルンで2泊するのはHotel Bergという名のホステルです。 

よっぽど疲れていたのか室内の写真が一枚もありません。なぜか、ホテルの部屋の鍵の写真だけが残っていました。

一応個室でしたが、ベッドと小さな洗面台と小さい窓のある屋根裏部屋のような部屋でした。天井が傾斜がかっていたので本当に屋根裏部屋的ポジションだったのかもしれません。トイレシャワーは他の人と共同で、廊下の奥にありました。驚いたのは部屋の壁の薄さ。ベニヤ板か?と思うくらいの薄さでした。

きっと有事の際にすぐに蹴破れるようにこうなんだろうと思い直して、荷物を置き、あたりの散策に行きました。

 

さて、散策ですが記憶がありません。かなり風邪が悪化していたのです。予定では、ケルンに着いたらまず大聖堂を見て、香水博物館に行き、ヴァルラーフ・リヒャルツ美術館というところに行くつもりでした。

おぼろげな記憶を辿ると、宿の近くの街並みを見て周り、スーパーで夕飯を買った。それだけを覚えています。その証拠に、2月25日の写真は、前述の電車の写真とホテルの鍵の写真、そしてこの写真しかありません。

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スーパーで安価に買えるクリームブリュレ。

付属のザラメをかけると表面が炙ったように変色するクリームブリュレの写真です。どうだ。普通においしかったです。

あとは、アジアンスーパーにも行った気がします。

 

以上。2月25日の思い出でした。何もしてねえ。移動しかしてねえ。

 

明けて2月26日。

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気持ちの良い朝です。風邪をひいていますが。

 

朝食付きのホステルでした。薄暗い小部屋にビュッフェ?形式にミートボールやハムやらチーズ、パンが置かれていて、自由にとって食べる形式でした。薄暗い部屋で。なんだかこのホステル、私の部屋だけじゃなくて全体的にずっと薄暗いな。

朝食会場の外に食品を持ち去ってはいけないと注意書きがありましたが、こちとら節約旅人の身。かつNINJAを生み出したSHINOBIの国から来たジャパニーズなのでナプキンにこっそりパンやら蜂蜜やらハムチーズやらを包んで一度部屋に持ち帰りました。サンドイッチにして昼食にしようと思ったのです。良い子は真似してはいけません。だって、私の他に客が見当たらなかったし、食糧が大量に余っていたのだもの。

 

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昨日アジアスーパーで買ったビタミン源のミカン。包んである白いのが即席サンドイッチです。

 

さて、予定では25日にケルン観光し、26日にケルンから隣町アーヘンに電車で行きアーヘンを観光するといった運びでした。しかし25日を無為に過ごしてしまったので今日26日にぎゅぎゅっと両者を観光しなければなりません。

 

まずは、ケルンの大聖堂へ。

 

前述の通り、ケルン中央駅の真正面に大聖堂はあるのでまずは中央駅を超えていきます。

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ケルン中央駅

仮装している人が広場にたむろっているのにお気づきでしょうか。後述します。

 

そして振り返れば有名なケルンの大聖堂。

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デカすぎて写真に収まらない大聖堂。

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寄りで見るケルン大聖堂

ケルン大聖堂は完成するまでに600年以上もかかった、世界最大級のゴシック建築の聖堂です。

まずその大きさに圧倒されました。高さが約157メートル、横幅は約145メートルといいますから数字で表しても確かに巨大です。

ただ巨大なだけではありません。柵やらなんやらがあって見づらいですが、近寄ってみるとかなり細かな装飾が施されているのがわかります。

 

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入り口上部の細かな装飾

こんなに細かな装飾を、こんなにたくさんの量、人の手で作ったと言われてしまうと気が遠くなってしまいます。そりゃ600年かかるわという風情です。

早速内部にも入ってみましょう。

観光名所とあって、ひとでごった返しています。また、ツアーの団体客も多く、各国の言語での説明を読み上げる声が交錯しており、こころおだやかにはなれませんでした。

 

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写真が下手。人が多くてポジションがとれないのです。

天井の高さも、外から見た想像通り相当の高さです。こんなところで聖歌隊が合唱なんかしたらきっとそれはそれは良い響きでしょう。私の左右では中国語と日本語でのツアーガイドの声が合唱していましたが。

 

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ステンドグラス。写真が下手。

壁面に施されたステンドグラス画も見事です。かなりの大きさです。人混みがすごくて近寄れませんでしたが、遠くから見ても迫力を感じる大きさとデザインの繊細さでした。

 

さて、このあたりで私、気づいてしまいます。

ケルン大聖堂前の広場の人混み。地面に散らばる紙吹雪のなごり。ところどころに落ちている割れたビール瓶の破片。そして、仮装している人々。

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なんの仮装なの?


すごい人の量なのです。ただ観光名所だからだけでなく、仮装している人ばかりです。

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ねえなんの仮装なの?

実は、以前のブログにも書きましたが今ここ西ドイツではカーニバル期間なのです。

「薔薇の月曜日 Rosenmontag」と呼ばれるこのカーニバルは毎年2月のこの時期に西ドイツで行われるお祭りで、町中を仮装した人々が占拠し、パレードが練り歩き、お菓子が空中を飛び交いばらまかれる、そんな期間なのです。

ケルンは商業都市、いわゆる都会で国際的な書籍の展示会なども開催されるとか聞いていたのでそういうオフィス街やビジネス的なイメージをもっていましたが、いざ来てみると、路上には酔っ払いの吐瀉物のなごりや、へこんだ酒の空き缶ばかりが目につきます。

 

ケルン大聖堂自体は歴史を感じる素敵な場所でした。しかし、人混みと騒ぎごとが苦手な私は一度宿に戻り、隣町のアーヘンに日帰りで行くことにしました。アーヘンにも有名な大聖堂があるのです。

陰気な宿の人に、ケルンはいつもこうなのかと聞いたら、カーニバルの期間だけ、ドイツ人はこうなるしドイツの街は汚れるんだ、と返事が返ってきました。いつもは違うんだよ、すまないね、と私に言う小太りな丸いフォルムのおじさまが急に愛しく見えてきます。

 

 

 

 

さて、ケルンからアーヘンまでは中央駅から電車で1時間程度で行くことができますのでぜひセットでいかれることをおすすめします。

人混みから逃げるように、アーヘンについたのは午後1:00頃でした。

 

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アーヘン中央駅。あれ?ここもカーニバルじゃん?

アーヘン中央駅手前、見えますでしょうか軍隊らしき格好をした集団。このあと、ブラスバンドの演奏とともにパレードがなんともちょうど良いタイミングではじまりました。たった電車で一時間離れたところでドイツ人のパレードからは離れることはできないのです。

 

アーヘンは世界史の授業でも出てきたフランク王国カール大帝ゆかりの地なのです。

そのため、カール大帝にまつわる建築物などが多数存在しています。

 

とりあえずは、パレードのうしろをこっそりと移動しながら市庁舎を目指します。

 

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アーヘンの市庁舎

今でも現役のアーヘン市庁舎です。もともとは、カール大帝の宮殿の一部だったそうですよ。

こちらの前は広場のようになっていて、噴水やベンチがあったりしたのでここで昼食とすることにしました。ホステルからくすねてきたサンドイッチとミカンです。外で食べるとなんでも美味しいね。ひもじくなんかないもんね。いまだドイツでレストランに入ったことはありません。

 

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アーヘンの街並み。井戸?

フランク王国内最大の宮殿が存在していて、発展していったアーヘンの街並みは今でもまるで中世の時代のような建築物が多数残っていました。街の空気感もどことなくよそよそしく、気品のある感じで、住宅地という感じはしませんでした。もちろん、住んでいるひともいるのでしょうけれど。

 

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アーヘン大聖堂が近づいてきた。

ケルンの大聖堂もそうでしたが、外観からもその豪華さには息をのむものがあります。豪華という言葉よりも、厳か、という言葉の方が似つかわしいかもしれません。

 

もともとは小さなマリエン教会という部分だけだったところを増築、増築、また増築したりなんだりして今の豪華さになったようです。外観からだけ見ると、色味も少なく地味ですが、内部が凄かった。ご覧ください。

 

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アーヘン大聖堂内のガラスの礼拝堂

なんたる豪華さ。きらびやかさ。ステンドグラスなんて私の身長20体分くらいの高さがあるんじゃないでしょうか。

天井もすごいのです。

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聖堂内の天井部分。見上げるだけで別世界です。

 

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単なる通路の天井も装飾があざやか。

メインではない通路の天井なんかも緻密で豪華な装飾が施されていて夢中になって何時間もみっぱなしでした。

ベンチがあるので座ったまま、天井部の装飾を落ち着いて堪能できるのがよかったです。どこを何時間も見ても、まだ見ていない部分がありそうなのです。それくらい各所にいちいち異なる装飾があって、いかにカール大帝が豊かな王国を築いたことがうかがえます。

 

そんなカール大帝はここアーヘン大聖堂に眠っているそうですが、一般の人は入れない場所に埋葬されているそうです。

 

事前に、アーヘン大聖堂内で写真をとっていると料金を支払わされると聞いていたのですが、私は特に誰にも何も言われなかった記憶があります。ジャパニーズ・ニンジャスキルが活きてしまったのでしょうか、無意識に。

 

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アーヘン大聖堂の裏側

やっぱり外から見ると地味です。裏口のようなところがあり、そこから外へ出ると、そこにはアーヘン大聖堂のミニチュアも展示されていました。

 

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アーヘン大聖堂のミニチュア

 

アーヘン大聖堂には宝物館も設立されているそうなのですが、薔薇の月曜日、祝日期間のため閉まっていました。

 

アーヘン大聖堂を見た後は、アーヘンの街をてくてくと徒歩で散策して周り、また電車でケルンに帰りました。相変わらず時折咳をしながら、水筒に入れたセージティーを飲みながら。

 

事前に立てた予定表のエクセルを見ると、26日にアーヘン大聖堂を見た後は「薔薇の月曜日をエンジョイする」と書いてありましたが、体調が最悪だった私はホテルに帰ってシャワーを浴びて倒れるように寝ました。

 

さて、明日はケルンからベートーベンの故郷、ボンへと移動します。

 

ずっと移動してんな。